表の体育 裏の体育―日本の近代化と古の伝承の間に生まれた身体観・鍛練法 (PHP文庫)おすすめ度:![]()
(2006-09-19)
体育に、表も裏もあるのか?というのが本書を読む前の感想でした。しかし読んでビックリ。これが裏の体育か!という驚きと、良くここまで調べたなぁ、という驚きが相乗効果を生み、感動してしまいました。
特に圧巻なのは肥田式壮健法についてです。
本当にこんな人がいたのか?
いたのならなぜ現代にその足跡が残っていないのか?
この人って単なる超能力者じゃないの?
あらゆる疑問が吹き出てきました。しかしここまで正確な記録をもとに書かれていると、やはりこのような人が存在したことを疑うすべはありません。
こういう人が歴史からある意味抹殺されているところが、「裏の体育」という事なんでしょう。
とにかく知的好奇心を満たしてくれる面白い本です。
(2006-05-09)
甲野さんの本は本当に大好き
常識にとらわれず本質を鋭く見抜いていて感動する
武術の本というより健康本
健康に関心のある方にぜひオススメしたい
この作品では噛み合わせにも触れていて
何でも知ってるなあと感心した
(2006-01-26)
ここで書かれていることを、どのように評価するかは難しい。だが非常に面白いことは間違いない。私自身、ランナーとして毎日走りながら、同時に陸上部の顧問をしてきた。しかしランナーとして、自分の体と対話しながら、自然の中を走る喜びを感じている自分と、試合に勝つということを中心とした学校体育の中にいる自分の間に大きな矛盾がある。そして、楽しんで走っている自分は、裏の体育に属することをしているのかもしれないと思っている。そして何かの形で、自分のランニングにも古武道の教えを取り入れたいと思っている。学校体育にも、取り入れることができたら、体を動かす喜びを本当に知った人が増えるだろう。
(2004-05-29)
今まで読んだどの本よりも心に響く作品だった。忘れかけた人間の本質、これからの自分の生き方に方向性を持たせられた一冊。
(2004-04-29)
「バカの壁」の養老孟司、「スラムダンク」の井上雄彦との対談や、NHK人間大学で、急速に注目されている古武術家・甲野氏の処女作。
公に認知も奨励もされていない民間の各種健康法・鍛錬法を「裏の体育」と名づけて紹介しています。
戦前の日本で隆盛を誇り「裏の体育」のルーツといういうべき「霊術」をはじめ、「表と裏」をつなぐものとして自らが研究している「古武術」のほか、伝説の体育家・肥田春充の「肥田式強健術」などについて、簡潔に知ることができます。
最近でこそ、「声に出して読む日本語」の斎藤孝さんなどがこういった身体技法を伝え始めて、一般にも受けいられてきていますが、本書の単行本が出された18年前にはまだまだ日陰の存在でした。そういった意味でも画期的な本です。
さらに、著者自身の体験を踏まえ、「人間にとっての自然とは」という問いを投げかけ、現代社会に対しての鋭い問題提起を行っています。その指摘は真っ直ぐ過ぎるほど真っ直ぐで、こちらの身が正されます。
願望達成法として喧伝されているイメージ法についても、そのマイナス部分に触れており、イメージ法がますます一般化している今こそ読まれるべきだと思います。
極めつけは、文庫本化に当たって、経営コンサルタントとしてカリスマ的存在となっている神田昌典さんが解説を書いている点。今後のビジネス、経済に、甲野氏の考えがどう活かされていくのか? 興味深い解説になっています。
こんな真っ直ぐな本が版を重ね、しかも文庫本化されるというのは、日本もまだまだ捨てたものではないと感じます。
最初は違和感を感じるかもしれませんが、じっくりと読んでもらいたい本です。