ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術おすすめ度:![]()
(2008-12-08)
和書では(おそらく)唯一の体系的なゲームプログラミング入門教科書です。
著者ご本人も書いている通り「(ページ数が)厚くて(内容が)薄い」本ですので、著者の語り口も相まって非常に読みやすく仕上がっています。
ページ数は相当なものですが、下手に薄い本を買うよりはずっと早く読みこなせるでしょう。
ただ入門教科書という性質上、非常に「広く浅く」な内容になっています。
入門以降のゲームをつくるのなら本書の最後に羅列された「参考文献」にあたる必要があります。
本書の内容は大雑把に分けて、「ゲームプログラムのつくりかた」「プログラマとしての指針・思想」「C++文法補足」となっています。
メインは当然「つくりかた」ですが、「指針・思想」の部分も非常に参考になります。
「なぜ筆者はこの設計・実装方法を選んだのか」という点が「思考の流れ」として細かに書かれている点は、本書の大きな特徴でしょう。
また、「紙幅の都合でサンプルコードが切り詰められることが少ない」という点も技術本としては特徴的です。
一方、「C++」の部分に期待することはできません。まずはC++という言語を一通り抑えてから本書を読むべきだと感じました。
本書の「C++」部分はあくまで最低限の内容であり、C++初心者がまともに理解するのはおそらく不可能でしょう。
副読本として例えば「独習C++」「ロベールのC++入門」のような辞書的なものが手許にあればなお読みやすいと思います。
なお、ゲームプログラム本によくあるDirectXやOpenGLの知識は一切必要ありません。
星5つの内訳は、
・現役ゲームプログラマが書いた、「日本語」の体系的入門教科書:☆☆☆
・筆者の「思考の流れ」が細かに見える:☆
・(内容を考えれば)値段が非常に「安い」:☆
(2008-11-16)
この手の書籍では最初に数学や物理の解説が入りゲームそのもののプログラミングは後半になることが多々あるのですが、この本ではいきなりゲームを作り、随時理論の説明が入ります。導入が良いと思います。
和書でこの内容は良書間違いなしです。現代のゲーム制作に必要なプログラミングスキルを広範囲に解説しています。現役のゲーム会社のプログラマが書いた書籍は日本ではなかなか無い上に、値段もこなれていて素晴らしい。
ただし対象購入者はかなり限定されていると思いました。対象は「ゲームプログラマになる前に」というタイトル通りで、すでにC++プログラムがそこそこ書ける人が対象です。例えば学校でC++を習ったけれどこの先どうすればゲームが作れるか分からないというような人たち向けです。専門学校や大学でプログラミング演習を終えた人たちにちょうど良いでしょう。Cは勉強したことがあるがC++は全く手を付けたことがない、という人には内容が厳しいと思います。
第一章からコンストラクタ、C++テンプレート、const、deleteとdelete[]の違いなど、なかなかハードな(しかし重要な)内容が登場しますので、ついて行けない人もいるかもしれません。解説をだいぶ端折った感もあるので、C++の丁寧な解説書などの副読本が必要と思います。
ページ数が多いため(800ページ超!)読むことを躊躇しかねませんが、相当量の内容がある本で、逆にページ数が足りないくらいと思います。ゲーム開発に興味ある人には是非お勧めです。