ブルー・モンクおすすめ度:![]()
(2008-11-22)
リチャード・デイビスはモダンジャズシーンの中でも最も重要で実力のあるベーシストの一人であろう。そもそもクラッシック出身の彼は、ジャズに限らずベースのさまざまな可能性を広げてきた。その活動範囲の広さから、その評価はやや拡散気味なところも否めない。たとえば、オスカー・ピーターソン・トリオで不動のコンビネーションを発揮したレイ・ブラウンやマイルス・デイビスの音楽をサポートし続けた、ポール・チェンバースやロン・カーター。同様にコルトレーンのリズムに欠かせなかったジミー・ギャリソンなどに比べると、何かに貢献したという印象は薄い。しかし、リチャード・デイビスはエリック・ドルフィーとの伝説的なファイブ・スポットのライブで魂のベースを刻んだし、エルビン・ジョーンズ、トニー・ウイリアムスなどの天才的ドラマーを完璧にフォローし、数多くの傑作、問題作をものにしてきたのだ。その重く、正確無比でよく鳴る低音は、なによりも演奏者としての資質の高さを示しているが、同時にマルチレンジで、柔軟な対応力は、ジャズに限らず音楽家としてのスケールの大きさを感じさせずにおかない。本作では、古き盟友ジュニア・マンスとのデュオやソロによって、ピチカート、アルコなどさまざまなベース・ワークを存分に聞かせる。いまだに衰えをみせない現代ベースの巨匠を堪能する1枚だ。