All I Intended to Beおすすめ度:![]()
(2008-06-14)
前作のStumble Into Graceから5年振りとなるオリジナルアルバムということで、前から楽しみにしていました。プロデューサの名前を見てオヤ?と思いました。なぜならBrian Ahern だから。彼は確か70年代の彼女の公私ともにわたるパートナーだった人。またバックを支えるミュージシャンの多くはやはり長年の音楽仲間のようですね。というわけで、今回のは全体として彼女の音楽の原点回帰といえるようなアルバムで、だからなのか、昔親しかった人に久しぶりに会ったような、ふるさとに帰ったような、なんともいえない懐かしさがこちらも何度もこみ上げてきましたね。ジャンルを超えて新しいものを開拓してきた彼女が今たどり着いた所が、懐かしい人々のいる故郷だったという趣なんでしょうか。
相変わらず、名曲なのに忘れられていたり見過ごされていた謂わば宝の原石を光り輝かせる技といい、人生というものを感じさせるソングライティングといい、ますますその職人芸は素晴らしいですね。また、ヴォーカリストとして、彼女のフレージングの素晴らしさには改めて凄く感動しました。人生のさまざまな経験を積み重ねた分だけ言葉の裏にこめられた思いもまた深いことが、しっかりと聞く人の心に届いてくるようです。円熟味という言葉をこういう人の場合にこそ使いたいですね。
目をつぶって聞いていると、大地を越えて吹いてくる風と共に彼女の歌に包まれる幸せを感じます。山あり谷ありの人生において、いつもそばにいて見守ってほしいと思わせるようなアルバムです。