この落語家を聴け! いま、観ておきたい噺家51人おすすめ度:![]()
(2008-11-10)
この本は偏っている。笑点メンバーはほとんど載っていないし、テレビによく出ている有名な一族も出ていない。しかし、この本の著者が特別偏屈なのではなく、多くの客、落語ファンに支持されている落語家達を正直に載せているだけだ。しかも、この落語家達は(談志は別格だが)別段他のメディアに頼らず客を呼んでいる落語の腕が確かな人たちばかりである。逆に言えば、確かな人しか載っていないのだから安心して読めるということだ。
今、落語に興味はあるけれど自分はどうしたら良いかわからないと思っている人はこの本を読んでほしい。読めば人気落語達の雰囲気がきっと伝わってくると思うので、その中から自分のフィーリングに合った人を見に行けばきっと満足できるはずである。
全ての落語家が載ってない所を欠点だとあげつらうのはナンセンスである。ジャズでもクラシックでも「これが良い!」という名盤を選んでを紹介しているからその本は読む価値があるのであって、本に載ってるからといって聴いたら駄作ばっかりだったら普通怒るだろう。
どの芸術ジャンルも、優れた批評家によってその才能を見出され紹介されることによって世の中に認知されるということがあるのに、落語界にはそれがなかった。たまに出る本はいつもただの年功序列で、本当の現実を反映した内容の本は皆無だったといっていい。それではいつまでも落語は蕎麦を食べるしぐさが上手いだけの伝統芸能だ。この本は、落語は心が揺さぶられる優れたエンターテイメントであり、落語の魅力を存分に味わえる落語家が誰かということをきちんと書いた初めての本なのである。
(2008-11-06)
この本を買ってすぐのころに、ある若手の噺家さんを聴いて落語に興味を持ち始めた友人に会い、「その人もこの本に載ってるよ」とこの本を薦めたところ、「すごく面白かった。こんなに色んな噺家さんがいるんだね。他の人も聴いてみたくなったよ」と言われました。先日、子どものころから、談志・志ん朝師匠をおっかけていたものの、今は忙しくてなかなか落語に足を運べない人に会ってこの本をプレゼントしたら、「今の落語界がよく分かって、とても面白かった。面白そうな人が結構いるね」と言われました。
「力のある噺家」さんとは、大勢の人が面白いと感じて足を運ぶ噺家さんなのでしょうから、ここに書かれている「客を呼ぶ」噺家さんたちなら、落語初心者の人が初めて足を運んでも、そう外れる心配のない人たちということになるのではないでしょうか。
落語を本格的に聴き始めて6年になる私にはとても面白く、参考になる本でした。
(2008-11-06)
旬の落語家がてんこ盛りで登場します。著者が実際に足を運んで接しているので、いずれも愛情が篭っており、且つ的確です。これから、落語を聴いてみようと言う人、落語は好きだけれども、TVとCDでしか知らない人にもオススメの書です。通の方なら、自分の嗜好と較べて見るのも面白いでしょう。いずれも、リアルタイムな落語家指南書を片手に落語会に足を運ぼう!
(2008-11-04)
著者の好みがよく表されている本です。
とてもカリスマ性のある本だと思います。
それだけに、落語を全く聴いたことのない人(特に女性)にはお勧めしたくないですね。
この本を読んでからだと、どうしても先入観ができてしまうと思うので。
できれば、テレビでもCDでも何でも良いので、何人かの噺を聴いてから読んでほしい。
そうすれば、自分の好みと著者の好みを比べられると思います。
(2008-08-03)
今まで何度あったかわからない「へえ、落語好きなんだ、渋いねw」、「落語、一度聴いてみたいんだよねえ」、「おすすめの落語家は?」、「なんかさあ、落語って難しくない?」、「笑点ってどう思う?」、「まだ落語ブームなの?」、「同じ話を何度も聴いておもしろいの?」、「興味はあるけど、聞いたこと無いんだよね」・・・という質問だか偏見だかなんだかよくわからないことを聞かれたときの答えが、やっと決まった。「この落語家を聴け!」を読め。
もうこの先はずっとこれで行くことにする。
とにかく、うれしいんだよね。落語ファンならわかってもらえると思う。もちろん今までも落語に関する本はたくさん出ているし、立川談志を筆頭に落語家が書いた、読まなきゃ損する落語の名著(「赤めだか」とか「全身落語家読本」とか「超落語」とか)も枚挙に暇がないし、いわゆる落語評論家/演芸評論家が書いた本だって充実した内容のものは幾らだってある。でも「こういうこと」を、「これ」を、書いた本はなかったんだよなあ。
落語は“いつだって”素敵な優れたエンターティンメントなんだよ、ってことを、だ。
この本によって“基準”が出来た。「今の落語のスタンダード」という意味で。著者の広瀬氏が、おそらくそこにこそ腐心しただろうことは想像に難くない。広瀬氏は、ただ自分が好きな落語家について好き放題書くのではなく、落語ファンの誰もが思う、「こういう本があったらなあ」という思いを具現化するために、この本を苦労して書き上げたのだと思う。
とにかく、これで、“基準”は出来た。これからは、ぼくも含めた落語ファンは「今の落語界」やら「落語というものは」を背負わずに済む。これからは各々の趣味の範囲内で、「あの落語家が好き/嫌い」とか「自分が好きなタイプの落語はね・・・」ということを、「この落語家を聴け!」にはこう書いてあったけど・・・という便利なフレーズを使って、正々堂々と言っていいんです!
ああ、もう、こんな幸せ(と便利・笑)があっていいんだろうか。
具体的な内容についてはまったく触れていませんが、落語ファンの方なら「自分の耳」と比べながら楽しく読める筈ですし、まだ落語ファンでない方なら、未知の世界に思いを馳せながら(ちなみに広瀬氏が引用する高座での話芸は雰囲気そのままで素晴らしいです!)、「誰から聴くか」を考えるだけで幸福な時間を過ごしていただけるだろうと、思います。ぜひ、お手にとってお確かめください。
ようは、「この落語家を聴け!」を読め、そして、落語を聴け!、とそういうことです。