津軽三味線ひとり旅 (中公文庫)おすすめ度:![]()
(2008-02-02)
津軽三味線を習ってみたいなーーー、なんて軽い憧れから読んでみました。三味線に関するヒント的なものは初心者には皆無です。しかし、とても興味深い内容でした。まずこれは有名な話なのかもしれませんが、津軽三味線(三味線だけではなく、今で言う大道芸)というのは、もともとは生活する能力がない全盲の人などが、各地を放浪して芸を披露して、お金をもらっていたということからスタートしているということですね。しかし、どのような「芸事」でもスタートはそのようなものなのかもしれません。高橋竹山は幼くしてほぼ盲になり、(当時は珍しくなかったそうです)しょうがなく三味線をやったといってます。途中でなんどもやめたくなったりしましたが、尺八を独学でプロ並みに身につけたり、三味線の師匠から早々と独立を認められたり、もともと非常に才能がある人だったようです。あまり書くとネタばれになりますのでやめますが、「しょうがない、これをやるしかなかった」から「アーティスト」として若者から大絶賛されることになる過程は読んでいて、さすがという感じがしました。
一度彼の演奏を生で聞いてみたかったです。DVD買ってみようかなーー。
(2007-04-24)
1975年に新書館から出た『自伝−津軽三味線ひとり旅』の改題・文庫化。
高橋竹山は津軽三味線の奏者として活躍し、全国にその名を知られた人物(故人)。本書は佐藤貞樹氏が7〜8年にわたって竹山に取材を繰り返し、書き溜めたノートやテープから「自伝」をつくりだしたもの。竹山の津軽弁の語りがそのまま活かされており、臨場感がある。
ただし、語られているのは戦後すぐくらいまでの前半生のみ。失明した頃、少年時代、三味線の師匠に弟子入りしたこと、門付けして歩いた日々、盲学校に通ったことなど。このあたりを読むと、戦前の津軽三味線が施しを受けて回るための道具であったことが良く分かる。現代の芸などというものとは程遠い存在なのだ。貧しく凄惨な日々だ。迫力がある。
三味線を「芸」として認識し、腕を磨き、のしあがっていくあたりが書かれていないのが残念。
(2006-03-20)
この記録は単に独りの津軽三味線名人の口述自伝だけでなく、昔の日本の生活史としても興味深いかもしれない。高橋竹山の生きた時代の日本の空気も伝わるし、今では衝撃的な話もあったりする。そのナマの生活の中からきらと光る言葉には 説得力があって、民俗音楽だった津軽三味線を世に知らしめ、人間国宝級とまで昇華させた力強い記録だろうか。津軽弁で通したのも味が伝わり良いと思う。その三味線を集中して聴けば、繊細で洗練され 磨かれ、知的に聴こえるのだけど。。。音楽の演奏と聴衆との関係について触れる話などは大変興味深い。
(2004-01-04)
津軽三味線の歴史が少し分かったような気がした。
生きていくための三味線の音は、今聞いている音とは大きく違っていたに違いない。
その音を聞いてみたいものである。