聖なる島々へ <デイルマーク王国史2> (創元推理文庫)おすすめ度:![]()
(2005-04-01)
いきなりのんびりした家族の風景から始まったので、ちょっと怪しいと思ったら、やっぱり家族は不幸の生活へと突き落とされ、貧困の生活と革命運動の地下組織らしきものに巻き込まれ、さらには暗殺未遂、逃亡...と前半は暗いテーマが続いています。
初巻が結構面白かったので、意気込んで読みましたが、
主人公ミット、ミットの父母、伯爵の孫娘ヒルディが好きになれず、感情移入が出来なかったため、読破にはちょっと苦労しました。
しかし、後半の聖なる島々に向かってからの不思議な神々の導きなど読むにつれ、やはりこの人たちもデイルマーク統一にむけての重要な人物であり、ものすごいいきおいで物語をひっぱっていることを感じました。
読み終わってみれば、そんなに嫌な話ではなく、むしろデイルマーク王国の広さを感じさせられました。
さらに、最後の索引をよく読んで欲しいです。初巻と全く関係なかったと思われたのに、やっぱり関係がありそうだし、先にも歴史が続いていることを連想させる内容がもりだくさん書いてあります。結構想像力をかき立てられます。
(2004-11-02)
D.W.Jらしい家族関係である。ファンタジー的愛情に満ちた父も、自己犠牲的な母も、弟(もしくは妹)の面倒をこれでもかとみる姉も、兄(もしくは姉)を信頼しきった妹(もしくは弟)も登場しない!残念なのは、「九年目の魔法」に出てきたスペシャルな祖母も出演しないことかな。主人公のミットの扱いがちょっとアレなので星2つ。
(2004-10-28)
デイルマーク王国、次なる舞台は海。
口絵の地図ではほとんど南端のホーランド。
海祭りの日に生まれた少年と、領主の孫ふたりが船で北を目指す。
追われる者はなぜか北に行くというが、この三人も事情はどうあれ北へと逃げている。
この物語では、北部は自由と魔法の地であると考えられていたせいもあるだろう。
ところが、紆余曲折の末たどり着いたところは〈聖なる島々〉だった。
ジョーンズの本はどれもそうだが、たとえ親子でも人間はひとりひとり違っていて、
親と似ているから自分も同じことをするとは限らないこと、
同じにならないことを選べることがメッセージとして受け取れる。
自分の決心が、世界を変えることができることであることも。
これまでジョーンズの訳本を読んできた方なら、巻末の〈デイルマーク用語集〉に、
思わずにやりとしてしまう地名を見つけることだろう。
この本だけでも楽しめるのだが、第三部への期待が高まる。