画商デュヴィーンの優雅な商売おすすめ度:![]()
(2006-05-14)
デュヴィーンという、本人よりもはるかに有名な欧米の偉人たちを手玉にとった前代未聞の天才画商の伝記なのだが、最後まで通して読んでも、私は、結局この人物について全く理解できていないように思えてくる。
とてつもなくロマンチストな美の探究者かと思えば、狡猾で人の心を掴むためにあらゆる裏工作も辞さない。周囲から決して好人物と評されない一方で、誰の心にも強烈な印象を残し、その商売振りは、あきらかに単なる儲け一辺倒の商売人とは次元が異なる。
唯一つ、理解できたことは、この人物はとにかくユニークな、ある種の大変魅力的な天才だったということだろうか。
もう一つ、この作品で面白いことは、この伝記が、故人であるデュヴィーンと深く関わった人々の存命中に書かれたものであるということだろう。読み手である私は、その分デュヴィーンという人物が生きた時代の近くに居る気分になることができたようだ。